1.社会及び競争環境の変化の認識
(1) 生成AI・クラウドによる開発とサービス提供の変化
生成AIによる文書作成やコード作成の支援、クラウドによる開発・運用環境の柔軟な構築は、システム開発の進め方を変えつつあります。当社は、実装作業への対応に加え、お客様の業務を理解し、技術を適切に選択して品質と安全性を確保する力が、今後の競争力を左右すると認識しています。
当社にとっては、従来の作業方法に依存することで、生産性や提案力の面で競争力を失うリスクがあります。一方、開発・保守運用の経験に生成AIとクラウドを組み合わせることは、技術者の対応力を高め、導入支援や運用改善へサービスを広げる機会です。生成AIの誤出力や情報漏えいのリスクにも対応し、人による確認と適切な情報管理を前提に活用を進めます。
(2) IT人材の確保・育成と適正配置の重要性
企業のデジタル化に必要な人材の確保・育成は、当社およびお客様にとって重要な課題です。必要とされるスキルが多様化する中、技術者数を増やすだけでなく、一人ひとりの経験や強みを把握し、案件の要件に合った配置と継続的なスキル向上につなげる必要があります。
当社は、案件情報や技術者情報の把握が担当者個人の経験に偏ると、提案の遅れやミスマッチにつながるリスクがあると考えています。スキル・業務経験・希望条件と案件要件をデータとして整理し、AIによる適合度の可視化を担当者の判断に役立てることで、提案の迅速化と適正配置を図ります。
(3) 人材の稼働に依存する事業構造への対応
IT人材支援を中心とする当社にとって、技術者の稼働は重要な収益基盤です。一方、稼働人数や時間の拡大に成長を依存すると、人材確保の制約や単価競争の影響を受けやすくなります。お客様に選ばれ続けるためには、技術力に加えて、業務課題の解決に向けた提案と改善の力を高める必要があります。
そこで、案件・要員・原価・収益に関するデータを経営判断に活用し、既存事業の生産性と収益性を高めます。同時に、自社でのAI活用や業務改善から得た知見を蓄積し、クラウド・AI活用支援として提供することで、新たな収益機会の創出を目指します。
2.当社が目指す姿
お客様の課題解決と成果創出に貢献する企業へ
当社は、お客様の業務効率化とコスト削減に貢献し、便利で使いやすいシステムを提供することを大切にしています。システム開発および保守運用を通じて培った技術力、品質管理、セキュリティ運用を基盤として、この価値提供をデータとデジタル技術によって発展させます。
まず、自社の案件・技術者マッチング、開発プロセス、経営管理を変革します。データに基づく判断と生成AIによる業務支援を組み合わせ、提案や開発に要する時間を短縮し、技術者が課題の分析、設計、品質の確認などに注力できる環境を目指します。
その上で、IT人材支援を通じたお客様との関係と開発経験を生かし、業務課題の整理からシステム導入、運用改善まで支援するITソリューション事業を段階的に拡大します。自社の変革と顧客支援を結び付け、お客様の業務改善と当社の持続的な成長の両立を目指します。
3.ビジネスモデルの方向性
現在
IT人材支援を中心とした事業
技術者派遣を中心に、お客様のシステム開発・保守運用を支援しています。技術者の専門性と稼働を基盤として、顧客プロジェクトに貢献する事業です。
目指す方向
課題解決型ITソリューション事業の拡大
既存事業を高度化しながら、クラウド・AIの導入支援、システム開発、運用改善、内製化支援へ提供範囲を広げます。導入時の支援と導入後の継続支援を組み合わせ、収益源の多様化を目指します。
データとデジタル技術を活用した移行の道筋
- 案件・技術者マッチングの高度化:案件要件と技術者のスキル・経験・希望条件を一元管理し、AIが示す適合度を担当者の判断材料とすることで、提案の迅速化と適正配置につなげます。
- 生成AIを活用した開発プロセスへの転換:生成AIを要件整理・設計・コード作成・テスト・文書作成に段階的に活用します。顧客案件ではお客様の利用ルールに従い、品質と情報保護を確保しながら生産性を高めます。
- クラウド・AI活用支援サービスの事業化:自社で蓄積する知見と既存の開発経験を生かし、お客様の課題解決を支援するサービスとして整備します。
- 案件・要員・収益管理の強化:契約・要員配置・稼働・原価・収益性を共通のデータで把握し、経営判断に活用します。
これらの取組みにより、技術者の稼働を中心とする収益基盤に、ソリューションの開発・導入と継続的な運用・改善支援による収益を加えていきます。生産性向上によって生まれた時間を人材育成、提案、サービス開発に振り向け、提供できる価値の拡大につなげます。